若者どもが夢のあと |
天秤台 |
葬儀の後、旧友が工場を壊しかけているから見て行かないかと誘ってくださったので元同僚と出かけた。建物はそのままであったが場内は照明設備まですべて撤去され機械装置搬出のため壁が壊された個所もあった。昭和39年に内部が完成した時とほぼ同じ状態、機械装置の搬入据え付けをした時や試運転の苦労、製造可能と判断した時の事が懐中電灯の照明の中で浮かんで来た。
試験室へ入ってみるとアンカーを打ち振動防止した頑丈な天秤台が残されていた、入社二年目の若造の要望を聞き入れて買ってもらった福島県で初めてと言われたスイスメトラー社製直示化学天秤が置かれていた場所で汗と手垢がしみ込んでいる、僕が最初に設計した検査室は拡張されて面影はこれしかなかった。
当時の会社はよくぞ入社二年目の若造を最先端の工場を作る時から参加させてくださったものだとただ感謝するのみで、昨日は一緒に働いていた皆様、協力して下さった方々に有難うございましたと一礼し退出した。
冬温く若者どもが夢の跡 枯沼
2 件のコメント:
懐かしいですねぇ。試験室の外側当たりでしょうか?冬は吹きっ晒しの中でローリーの上に上がった・・・・。
メトラー社、これも懐かしい!
ター様
そうです市乳制御室方向です、照明が無いからフラッシュのみで不鮮明です。
この辺は僕らが作業したところですから涙が出そうでした。
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