百田尚樹著(講談社刊)を午前十時から17時迄かけて読んだ、国岡鐵造という貧しい北九州出身で神戸高商を卒業した男が一流企業を断り小さな商社で小麦粉を販売するところから話しが始まりで資金を出そうと彼を見込んだ人の援助で独立し自動車の時代がくれば石油が売れる事に気づき、門司で漁船の燃料販売で実績を上げ個人商店でバックがないため妨害を公然と受け苦労を重ね、最後には石油メジャーとその意を受けた通産省などの役人や石油連盟にまで種々の妨害を受けた。日本国民の利益を第一に考えて商売し誰よりも安くのモットーがお役人にまで気に入られないし当時輸入されていた製品は低品質だったとは。戦前から戦後石油メジャーはオクタン価の低いガソリンしか販売なかったし製造法を教え無かったらしく戦後米国の航空燃料を入れて飛ばした日本の戦闘機は凄い威力を発揮したそうだ、この様なことが分かっていながら国民を騙した日本人がいた事を読んで知り悲しい。それでも頑張った人は出光佐三氏。
クライマックスは自社のタンカーで英国と紛争中で誰も買いに行かなかったイランへガソリンを買いにゆく苦労だ、経営者としてすごい決断をした、撃沈を恐れず乗り込んだ船の乗組員もすごい。今の日本では誰も出来ないだろう、この本がベストセラーで本屋によっては売り切れの理由が分かる。それは何の決断をしない、しても自分たちが有利なようにしか判断しない公務員と政治家とそれを批判出来ない企業のトップが多い現在、従業員を自費で教育したり召集を受けた従業員に給与を払い続け、お客のため安いガソリンを販売するにはどうしたらばかり真剣に考えた経営者の考え方は胸がすくし共感を覚えるから話を聞いて読もうと云う人が増えているのだろう。そして石油メジャーに日本が乗っ取られるのを身を持って防いだ民族英雄だ、どうして国民のためが通じない国なんだろうかと情けなく思う。
獲り手無くユズ青々と葉もおなじ 枯沼
4 件のコメント:
いわゆる民族系のパイオニアだったのでしょうか。しかし、そんなに長時間、よく読書ができるものだと尊敬します、ホント!
三四郎 様
民族系の元祖だったようですね。
本は読み出したら途中で止めるのが嫌いです。
坂の上の雲全巻を5月連休の3日間で読み通しました。
沼さん、坂の上・・、それって文庫本で全8冊でしょう。速読も速読ですが、内容が頭にスッと入って、しかも覚えているから凄いな~ぁ!脱帽。
ター様
義父から借りたハードカバーの全集で確か5冊だったと思います。
内容がスッと入るわけがないでしょう、ター三ご存知の頭ですから。
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